2022/01/15 14:47
縮小する市場と認知度の低下
伝統工芸品の市場は縮小傾向にあり、生産額はピーク時の昭和58年時の5分の1以下に
落ち込んでいます。
市場の縮小はライフスタイルの洋式化、安価な大量生産品の流入が大きな原因であると考えられますが、
この流れも和の生活様式の見直しや、大量生産・大量廃棄で起こる環境負荷の問題への対応などで少しずつ
変わってきているように感じられます。
しかし、長い低迷期によって伝統工芸品のことを知らない人も増えてきています、知る機会が無いのです。
私自身も切っ掛けがなければ伝統工芸品のことを知る機会もなかったと思います。
つまり、市場の縮小に伴って、伝統工芸品の認知度も低下しています。
増加した認知不足が長期的に伝統工芸業界全体の体力を減少させていってしまうと、その立ち直りは容易ではありません。
私が伝統工芸品を認知した瞬間
私が伝統工芸品を認知したのは、雑貨を販売するECサイトを立ち上げようと思い、商材を探していた時です。
そこで見つけたのが九谷焼和窯の「泡多長ビアカップ」でした。まず、その見た目に惹かれました。当時は陶器と磁器の見分けすらつかない程度には無関心でしたが、黒地の中に浮かぶ銀彩がとても綺麗に見え、さびやすい銀が釉薬の下で半永久的に輝きを保つことにも驚きました。
泡を細かく長持ちさせることを追求して作られているという所にも惹かれました。
見た目と機能を両立しているのです。
私にとって伝統工芸品は値段の高い、日用使いのできないただ観るための道具という認識でした。
実際にはそうではない、少なくともただ見た目だけでなく、様々な用途を併せ持っている、
或いは見つけ出せるのだと考えが変わりました。
私が伝統工芸品というものをはっきり認知し、
「伝統工芸品を扱ってみたい」と思ったのはこの時でした。
伝統工芸品のレンタルを始めた理由
まず、知ってもらうことが市場の活性化の第一歩です。
伝統工芸品のレンタルを始めた理由は、伝統工芸品を実際に使うことでその魅力を知ってもらい、
この「遊水堂」だけでなく、他のお店での販売機会を増やすことで伝統工芸品の市場の活性化に貢献したいからです。
そして、「お客様にも伝統工芸品に心を動かされることを体験していただきたい」、そのような想いがあります。
最後に
私が伝統工芸品の市場に貢献したい理由は最終的にはシンプルです。
「伝統工芸が好きになったから。」
だからこそ、伝統工芸の業界が元気なり、それが続けばいいと心底思います。
まだまだ知らないことが多く、未熟ですが、この世界は知れば知るほど面白いと感じています。
蛇足
上の画像は九谷焼和窯「泡多長ビアカップ」、良い泡立ちしてます。
友人にプレゼントしたものですが、つい先日、冷凍庫で冷やしたカップを取り出した時に
滑って落として割れたそうです、合掌。
駄文、最後まで読んでいただきありがとうございます。